はじめに
最近、AIエージェント周りのキャッチアップがあまりできていなかったため、比較的新しく登場した「Agent Skills」について調べてみました。
※実務で使い込んだわけではないため、内容はやや浅めです。あらかじめご了承ください。
1. Agent Skillsとは
概要
Agent Skills とは、AIに特定のタスクを繰り返し実行させるための「手順書」のような仕組みです。
従来はカスタムスラッシュコマンドなどで都度指示していた処理を、AIが自律的に判断し、必要に応じて実行してくれる点が特徴です。
カスタムスラッシュコマンドはスキルにマージされました。
.claude/commands/review.mdのファイルと.claude/skills/review/SKILL.mdのスキルの両方が/reviewを作成し、同じように機能します。既存の.claude/commands/ファイルは引き続き機能します。スキルはオプション機能を追加します
また、Skillsは従来のコマンドと同様に、明示的に呼び出すこともできます。
- オープンスタンダード: 2025年12月18日(https://agentskills.io)
- 対応: Claude.ai、Claude Code、Claude API
Agent SkillsはAnthropicが発表した仕組みですが、現在はオープンスタンダードとして展開されています。
参考サイト:
Claude Code – 公式ドキュメント
https://code.claude.com/docs/ja/skills
OpenAI – 公式ドキュメント
https://developers.openai.com/codex/skills/
Gemini – 公式ドキュメント
https://geminicli.com/docs/cli/skills/
2. 基本アーキテクチャ
Skillの構成(claudeの場合)
.claude/
└──skills/
└── my-skill/ # Skillの名称
├── SKILL.md # メインファイル(必須)
└── scripts/ # スクリプト等(任意)
必須となるのは .claude/skills/{skill名}/SKILL.md のみで、それ以外は用途に応じて自由に構成できます。
SKILL.mdの構造
---
name: skill-name
description: "Claudeがいつ使うかを判断する説明"
---
# 手順説明
## 使い方
...
## 例
...
Progressive Disclosure(段階的開示)
Skillsの特徴の一つが「Progressive Disclosure(段階的開示)」です。
起動時: name + descriptionのみ読み込み
↓
必要時: 詳細な指示を読み込み
↓
実行時: スクリプト実行
この仕組みにより、コンテキストウィンドウを効率的に利用できる設計になっています。
3. 実装例
3.1 Anthropic提供スキル
以下のリポジトリで、いくつかのサンプルスキルが公開されています。
参考サイト:
Anthropic – 公式Github
https://github.com/anthropics/skills
- docx: Word文書
- xlsx: Excelスプレッドシート
- pptx: PowerPoint
- pdf: PDF操作
- skill-creator: SKILLの自作支援
These skills are provided for demonstration and educational purposes only.
→これらのスキルはデモンストレーションおよび教育目的のみに提供されています。
3.2 Claude Codeでの使用
# インストール
/plugin install skill-name@repository
# 使用(自動起動 or 明示的に指定)
"この機能をテストして"3.3 マーケットプレイス
Skillsは以下のマーケットプレイスでも公開・検索可能です。
Skills Marketplace:
https://skillsmp.com/
ただし、スクリプトを含む場合があるため、利用前に内容を必ず確認する必要があります。
3.4 有名ツールの対応例
例えばPlaywrightも、CLIとともにSkillsを公開しています。
https://github.com/microsoft/playwright-cli
4. 他の機能との比較
Skills vs CLAUDE.md
| 項目 | Skills | CLAUDE.md / AGENTS.md |
|---|---|---|
| 目的 | 再利用可能な手順 | プロジェクト固有の設定 |
| 読み込み | 必要時のみ(Progressive) | 常時読み込み |
| 範囲 | AIエージェント全体で利用可能 | そのプロジェクトのみ |
| 優先度 | 必要に応じて | システムルール(最優先) |
| 内容 | タスクの手順・ワークフロー | 構成・規約・コマンド |
Skills vs MCP
| 項目 | Skills | MCP |
|---|---|---|
| 目的 | やり方を教える | 外部にアクセス |
| 実体 | 手続き的知識 | 外部システム接続 |
| 用途 | ワークフロー定義 | データ取得 |
以前はMCPでワークフロー的な役割も担っている印象がありましたが、今後はより明確に役割分担されていきそうです。
関係性(補完関係)
- MCP:Slackなど外部サービスに接続
- Skills:Slack投稿フォーマットなどの手順を定義
5. 使ってみた
※環境(devcontainer)の都合ですぐにしっかり検証できなかったため、軽く触った範囲での紹介です。
Playwright Skill
以下のように、明示的にPlaywrightを指定していないにも関わらず、AIが自動的にSkillを選択して実行してくれました。
> <http://localhost:3400/sign_inにログインしてみて>
● Skill(playwright-skill)
⎿ Successfully loa/.claude/skills/playwright-skill
● まずセットアップを確認し、ログインスクリプトを作成・実行します。
skill-creator
Anthropicが提供するスキル作成支援ツールです。対話形式でスキルを作成できます。
❯ スキルを作成したいです
● Skill(skill-creator)
⎿ Successfully loaded skill
● スキルを作成しましょう。まず、どのようなスキルを作りたいか教えてください。
具体的には以下を知りたいです:
- スキルの目的: 何を自動化・効率化したいですか?
- 使用例: どのような場面で使うことを想定していますか?
- トリガー: ユーザーがどのような指示をした時にこのスキルが起動すべきですか?
❯ タスク完了時に自動的にサブエージェントを起動してレビューする機能
───────────────────────────────────────────
← ☐ レビュー対象 ☐ 出力形式 ☐ 起動条件 ✔ Submit →
レビューの対象は何ですか?(例:コード変更、仕様書の更新、特定ファイルの変更など)
❯ 1. コード変更全般
変更されたファイル全体をレビュー
2. 仕様書との整合性
仕様書と実装の整合性を確認
3. 両方
コード品質と仕様書整合性の両方を確認
4. Type something.
───────────────────────────────────────────
← ☒ レビュー対象 ☐ 出力形式 ☐ 起動条件 ✔ Submit →
レビュー結果はどのように出力すべきですか?
❯ 1. 会話に直接出力
レビュー結果をチャットに表示
2. ファイルに保存
レビュー結果をMarkdownファイル等に保存
3. 両方
チャットに表示しつつファイルにも保存
4. Type something.
───────────────────────────────────────────
← ☒ レビュー対象 ☒ 出力形式 ☐ 起動条件 ✔ Submit →
「タスク完了時」とは具体的にどのタイミングですか?
1. 手動呼び出し
ユーザーが /review 等で明示的に起動
❯ 2. 実装作業後に自動
コード変更を伴う作業完了時に自動起動
3. 特定キーワード
「完了」「done」等のキーワードで起動
4. Type something.
───────────────────────────────────────────
レビューで特に重視する観点はありますか?
1. バグ・セキュリティ
バグ混入やセキュリティ脆弱性の検出を重視
2. Rails規約遵守
Railsのベストプラクティスやプロジェクト規約の遵守
❯ 3. 総合的
バグ・セキュリティ・規約・仕様整合性を総合的に確認
4. カスタム
独自のレビュー観点を指定したい
5. Type something.
───────────────────────────────────────────
例:
- スキルの目的
- 使用シーン
- 起動トリガー
- 出力形式
- レビュー観点
などを順にヒアリングされ、スキルが構築されていきます。
例えば「タスク完了時に自動レビューするスキル」なども比較的簡単に定義できます。
6. まとめ
Skillsのポイント
✅ 手続き的知識: 「やり方」を教える
✅ Progressive Disclosure: 必要な時だけ読み込み
✅ 簡単に作成: Markdownで記述
✅ ポータブル: 多くのAIエージェント/ツールで使える
7. 所感
これまでカスタムスラッシュコマンドで手動実行していた処理を、自動化できる点は非常に魅力的です。
また、特定のAIに依存しないため、チームやプロジェクト単位で共有しやすいのもメリットだと感じました。
注意点として、スキルを入れるとスクリプトがインストールされてしまう可能性があるので、
- 提供元が信頼できない場合は導入しないこと
- 隔離した環境(devcontainer等)で使用する
といった対応は必須となります。
なお、スクリプトはなくてもプロンプトで秘匿情報を送信するような指示が含まれている可能性もあるため、必ず内容を精査することが必要です。
